「マンガの創り方」でマンガをかく15

ネーム編です。


ネームとは要するにマンガの下書きみたいなものです。
ただ、今回かくネームは漫画の下書きといっても、
絵は入れず、セリフとコマワリだけのものです。


んで、まずネームは最低でも2回以上は書き直します。
1回目はまずベタなネームをつくって、
2回目以降はそれを直していく感じです。
山本おさむさんいはく
1回目はベタに書いた方がいろいろと直しやすいということ。
そこには私も同感で、
最初はワンパターンでオーソドックスな演出でやった方が、
面白くなくても、読者にわかりやすく伝わります。
それをだんだんおもしろい演出に変えていくことで、
わかりやすくかつ、変わった作品になるのではないかと考えています。

以下「マンガの創り方」から抜粋


<ネームにはシナリオと演出の二面がある>


ネーム作りには2つ側面があります。
箱書きまではストーリーを中心にやってきましたが、
これはあくまでも「箱書き」でした。
次のネームの段階で初めて登場人物がしゃべるセリフや
ノローグ(ナレーションが必要ならナレーション)を
考えていくことになります。


もうひとつ、やはり漫画ですので、
このコマにはどういう画が入るのかという画を考えた上での
演出をしなければならないという側面があります。
ですから、マンガの場合はセリフを考えながら画も含めた演出を
考えていくという2つの作業をネームで行うわけです。
これは漫画独特の特殊な作業といえるでしょう。



<マンガの演出の3つの基本技術>

モンタージュ・視点・カッティングー

  1. モンタージュ

モンタージュとは複数のカットを組み合わせて意味を生み出していくこと。

たとえば→男がちょっと興奮したような感じで物欲しそうな表情をしているアップを
     ポンと撮ります。
     このアップだけでは何を表現しているのかわかりません。
     けれども、
     その後にジュージューと焼けているステーキのカットをポンと
     持ってくる。
     そしてこの2つのショットを組み合わせる(モンタージュする)
     と、この男がそのステーキを食いたがってるという食欲の表現になるわけです。
     同じような男の顔のアップを撮って、
     ステーキのかわりに裸の女の人をポンと
     持ってくれば、その男の性欲の表現になるというように
     モンタージュによって意味が表現できるわけで
     男の表情は同じでいいわけです。


マンガはコマ割りでできていますから、
このモンタージュは宿命づけられている表現手段です。
ですからモンタージュについては、
コマ割りをするっときによく頭に入れておかなければいけません。
箱かきに沿ってどういうカットを組み合わせていけば、
その箱書きの説明や人物の感情やそのシーンの意味、
情感などをもっと効果的に表現できるかを考えるカット割り、
モンタージュ、マンガ演出の基本中の基本技術として覚えてほしいと思います。



  1. 視点

主観のカットか客観のカットか?


次に覚えておかなければいけない技術は
これは登場人物の視点で主観で書いているカットなのか、
あるいは客観で作者の目でとっているカットなのか、
というように「視点」を常に意識しておくことです。

  1. カッティング(場面転換)

どこでどこを省略するのか?


3番目に大事なことはカッティングです。
視点を意識してカット割りをして、
ある場面をかくことになります。
箱かきでは場面が変わるので、
当然きりのいいところでその場面をカットして、
次の場面のきりのいいところから
またはじめなければなりません。
そうしないと場面が進んでいかないわけです。
これを「カッティング」と言います。
場面転換のことですが、場面転換をどこでやるか、なぜここで切るのか。
なぜ次にここからはじめるのかといったことですが、
マンガのいては非常に重要になります。
箱がきでは場面が区切られているので、そにはかならず省略があるわけです。
省略をしたから次の場面とのつなぎが生まれるわけです。
省略がなかったら、
たとえば、朝起きて歯を磨いて、口をゆすぎました、顔を洗いました、、、と
ずっと書いていかなければならないことになってしまいます。


物語はかならず省略がなされいます。省略に伴ってカッティングが出てきます。
このカッティングがマンガの演出の場合の3つ目の大きな技術なのです。
ネームをやるときは必ずこの3つのことを意識しておくように心かけてください。


次回はネーム作業にかかろうと思います。
では、また後日。

マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり

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