やられまん 箱書き まとめ

「マンガの創り方」でまんがを書く14

作品の中からテーマの発見することがよい
クライマックスシーンを生むコツだそうです

山本おさむさんいはく
まんがの作り手は日常の目に見える事象の中から、
テーマを抽象的する能力を持たなければならないそうです。


テーマというのは抽象的なものになるのですが、
そのまんま言葉にして言うとつまらないものです。
けれども、つまらなくても、やっぱりそれは作品のなかで発見
して把握していかなければならなくて、

そして、把握した後にそのテーマをそのまんま
訴えるのではなく、そういう抽象的なテーマを読者に
実感をさせる・信じさせる・共感させることが、大切だそうです。

というわけで「転結」をふくめた起承転結です↓
  
『起』

子供時代→
   
  回想シーン。
  母親がいるらしき方向に目を向け、(後姿)
  「私を愛してくれるひとなんてどこにもいない」
  とつぶやく子供のカナ(主人公)


現在のカナのシーン→
ライブハウスのトイレ
  
  
  「だから自分を安売りすることにした。
  とにかく私の体をもとめてくれるひと全員に尽くそうと思った。
  それが、この結果だ。」(カナ)
  真っ裸のカナ。(男子Aとセックスの直後)
  個室のなかで男子Aにぶん殴られる。
  「お前みたいなやられまん、だれが相手にするかよ!」



現在・夜のライブハウス→
   


  カナが裸のままトイレから出てくる。
  周囲は驚愕。
  カナは男子Aの当てつけのつもりで目の前でリストカットをする。
  男子Aは「なんだよ、この便所!!」とつきとばし拒絶する
  周囲の人間もカナにつめたく見る。
  孤立するカナ   
  その瞬間ひとりの男の子(カスオ)がティッシュを差し出した。
  「大丈夫?」とやさしい声をかけられたカナは
  思わずカスオを抱きしめる。
  カナの目から涙がこぼれおちる



『承』



どこかの商店街→


  カスオにデートに誘われる。
  カスオはカナのために新品の服装でコーディネートしてくる。
  (でも実際にはさえない服装。)
  カナは初めて人前で男の人と手をつないだ。
  初めてカナのおごりじゃなくて、
  カスオのお金でご飯を食べた。
  カスオはほかの男の子と違い、カナを一人の女の子として
  扱ってくれる。
  笑顔いっぱいで歩くカナ
  これでもう幸せだ
  でも幸せなはずなのに
  周りの自分たちを見る目がなんか変。
  カスオをくすくす笑っている。
  気分が悪くなったカナはさっとカスオとつないでいた手を離す。
  そんなとき街で偶然男子Aと出会い
  「お前こんなさえない男と歩いていると馬鹿にされるぞ」と
  本心をつかれハッとする。
  カナは動揺して、男子Aになにも言い返せなかった。
  「海に遊びに行こう」と男子Aはカナを強引つれていく
  カナがカスオの方をみるとカスオは悲しそう眼でこっちを見ていた。
    

  
車の中→
   

  海に向かう途中なにやら電話をしている男子A
  カスオがきになって仕方がないカナはなにも気がつかない。
  気がつくと、車のなかはカナと数人の男の人だけだった。
  カナは「やめて!」逃げ出そうとするが男たちにぼこぼこに輪姦される。 
  

真夜中の海辺→



  真っ裸で海辺にほおり投げられるカナ
  押し寄せてくる波が冷たい
  カスオから電話がかかってくる
  「今どこにいるの?」
  
  

車の中→


  さっきまでカナを輪姦していた男たちが
  「ちょっとあれはかわいそうなんじゃないか」
  と後悔している
  「あいつはかわいそうじゃない!」
  男子Aは口を挟む
  「あいつはずっと笑っていたんだよ。
  俺らがまわしている最中ずっと、、、。」 
   


  『転』




早朝の海辺→


  カスオがカナのところに来る。
  「大丈夫?」  
  カナは答えない。     
  カスオは真っ裸のカナに自分の上着を着せる。
  夜が明けはじめカナの体を朝日が包み込む。
  よく見るとカスオの上着はボロボロだった。
  デートの時は新しかったのに、、、
  カスオはは上着がボロボロになるまで
  夜中ずっとカナのことをさがしてくれていたのだ。
  「よかった。無事で。もうどこにも行かないで、、。」
  カスオは涙を流しながらいう。
  カナはなにも答えない。。
  「なんかあったかい飲み物買ってくるから!」
  とカスオは走っていく。
  完全に夜が明け強い光が視界を遮り
  カスオのいる方向が見えない。
  強い光におもわず目を背けるカナ
  頭ではわかってる。
  カスオといる方が絶対幸せだという事実に目を向けなければならないのに、
  本心ではさえないカスオといるより、
  かっこいい男たちに輪姦された方がまし
  って考えてる。
  自分はなんてばかなんだろう 
  カナは涙を流す。



  
  カスオがホットドリンクを持って
  帰ってくると、そこに カナの姿はなかった。



『結』



夜の街(どこかのクラブかライブ会場)→



  男子Aになぐられて床に倒れるカナ。
  周りの人はまた冷たい目でカナを見る。
  誰か助けてくれないかと周りを見る。
  人ごみの中に彼女をつれたカスオがいた。
  もう自分を助けてくれる人はいない
  カナは自力で立ち上がりカスオとは逆の方向にきえていった。



以上。
とりあえず次回からはネームに作業に入ります。
あとキャラクター設定もやらなきゃな、、


本に同じようなシーンを何回も使うといいと書いてあったので、
最初と最後に男子Aにつきとばされるカナのシーンをいれました。
カナを同じ目に遭わせて最初と最後でカナや周りの状況が
どうかわっているのかを表現しました。

同様にカスオが「大丈夫」というシーンも2回だして、
カナの心境の変化を表現しました。


作品の中のテーマは
「正しいことと
感情で考えてしまうことは必ずしも一致しない」です。

最後カスオに彼女が居るのは、
カスオが薄情な訳ではなく(カナにふられた訳だし、
別にカスオが誰と付き合おうと自由だと思う)
カナが「カスオをえらぶ」という「正しい」選択を
しなかった因果です。

マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり

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